スリッパで「づ」が描けた!

息子は年中さんになり、文字が読めるようになりました。登園の途中で目にする看板やレストランのメニュー、寝る前に読んでいる絵本。文字は身の回りにあふれ、生活の様々な場面で出会うことができます。車での移動中、彼はいつも周囲を見渡しては、忙しく口を動かしています。文字を発見すると、声に出して読まずにはいられないのです。

そんな彼が、文字を表現する喜びに目覚めました。「みて。” つ “!これに、ママのスリッパをつけると ” づ ” になるよ。」見ると、床にあったのは、タオルとスリッパで表現された「づ」の文字。なんとアーティスティックなのでしょう。その後、タオルの角度を少しずらして、アルファベットの「C」に変形させ、朝食に出ていた細長いリンゴに箸を刺して、「T」をつくってみせてくれました。息子には、文字を書く練習をさせたことがありません。けれども彼は、曲線や直線の特徴をとらえ、ひらがなやアルファベットを見事に表現していました。しかも、形作る喜びがセットになって。

アプローチ方法を間違えてしまうと、学びは辛く苦しいものになってしまいます。もし彼に、文字を書く練習を強要していたら、こんなに楽しい時間は生まれていなかったかもしれません。知識は後からついてきてくれるはずです。まずは、喜びや楽しさが出発点になる学びを追求するところから。学びの内発的動機付けが大事だと思うのです。