地球にやさしいお買い物

海洋プラスチックについて探究を続けて約2ヶ月が経とうとしています。海に流れたプラスチックで傷ついた生き物が多くいること、目に見えない大きさまで砕かれたマイクロプラスチックを食べてしまう魚がいることなど、プラスチックを取り巻く問題は複雑で多岐にわたることがわかってきました。海洋生物だけでなく、人間の健康にも影響を及ぼす可能性があるこの問題に対して、できることはないかと考える日々が続いています。

日常生活の中で出されるプラスチックごみの量を計測してみると、なんと多い日には一日200グラム以上のゴミを出している日もありました。少しでもごみの削減に取り組まなければと、プラスチックフリー生活にもチャレンジしてみましたが、こちらもわずか1日で断念。スーパーで食材を買う際に、お肉やお魚だけでなく、野菜や果物までもがビニールなどで包装され、プラスチックを出さずに買い物をすることは、とても難しいことだったのです。

「プラスチック包装」は、利便性が高く、衛生面や安全性でも多くのメリットがありますが、地球環境に大きな影響を及ぼす課題の一つでもあります。そこで、プラスチック包装を出さずにお買い物ができる方法はないかと調べて見つけたのがバルクショップ でした。

「バルク」とは、「容量」のことで、簡単に言うと量り売りができるのがバルクショップ です。空き瓶やタッパーなどの容器を持参して必要な量だけ購入することができるので、包装ゴミを出さずに買い物ができる、地球に優しいお店なのです。日本ではあまり見かけませんが、デンマークやオーストラリアなどエコ意識が根付いている地域では各地にあり、シャンプーからハンドクリーム、オイル、お菓子、ナッツ類やジャムに至るまで、あらゆるものが量り売りされています。

今回訪れたのは、オーストラリアにある「The Source Bulk Foods」というバルクショップ。大きな容器の中に入ったお菓子やナッツなどの商品が店いっぱいに並び、訪れるお客さんもみな、大小さまざまな容器を手にしています。必要なものを、必要なだけ。お買い物もとても楽しく、ゴミの排出を抑えられる消費活動ができたことで、気持ちまで前向きになりました。日本でもこう言ったお店が増えていくといいな、と思います。

帰国後、息子から旅の話を聞いたおじいちゃんとおばあちゃんが、興味深い話を聞かせてくれました。彼らが子どものころは、お醤油やお酒を買うときに空き瓶を持参したり、お鍋を持ってお豆腐を買いに行ったりするのが当たり前だったそう。便利な時代になったけれど、先人たちのエコの知恵には、今の私たちが学ぶべきことがたくさんありそうです。

息子は、お土産に買った金属製のマイ・ストローが気に入った様子。便利さと環境負荷のバランスを見直すことが求められる今、まずは身近なところから、楽しく前向きに使えるお気に入りを見つけて、大切に繰り返し使っていくというのも一つの方法かもしれませんね。