長期的な探究学習を通して、より深い学びや思考に繋がるプログラムをつくりたい。そんな思いから少しずつ進めてきたプロジェクトが、ついに始まります。「LOUPEこどもレストラン」の誕生です。LOUPEこどもレストランとは、一言で言えば「子どもたち自身で運営するレストラン」。このレストランでは、生産者の思いや願いをお料理を通じてお客様に伝えることに重点を置いています。
今日は、これから始まるこどもレストランの5つのねらいについてご紹介させてください。
生産者さんは、様々な想いや願いをもって食材をつくっています。これらの思いの背景には、消費者の意識に関する課題や環境問題など社会が抱える課題と密接に関係しています。こどもレストランでは、生産者さんから食材の提供をいただくだけでなく、彼らの思いや願いに向き合うことを通じて、社会課題と対峙するきっかけをつくります。
生産者さんの声をヒントにしながら、社会が直面する課題を探究していきます。インターネットや書籍を使ったリサーチやインタビュー、実地調査、ディスカッションなどを通して多角的な視点から問題を理解し、解決方法を探っていきます。社会の複雑な問題に対して、自分たちがどのように貢献できるかを考え、具体的な解決策を模索する力を身につけていくことで、持続可能な社会の実現に向けて、自らの役割を理解し行動する意識を育みます。
食材に触れ、メニューを考えることで創造力が育まれ、調理を通して食の楽しさや奥深さを感じることができます。また、調理道具の準備や後片付けを自分たちで行うことで、責任感や自立心が養われます。こどもレストランでは、これらの体験を通じて、自立と成長実感を得られる食体験を獲得していきます。
伝える力はとても大切です。しかし、なかなか日常の中で身に着けられるものではありません。こどもレストランでは、料理の提供を通じて自分の言葉で生産者の思いや食材の背景を伝える経験を通じて、自信を持って自分の言葉で表現できる力を身につける機会を提供します。
集客や準備、接客体験、売上原価の計算など、レストラン運営を通じてビジネスの基本的な仕組みを体感していきます。状況に応じた適切な振る舞いが求められることや、生産から消費までの流れの中で多くの人々が関わっていること、さらに利益を生み出すことの難しさと、それを達成したときの喜びを実感すること…。これらの体験を通じて、これからの世の中を創っていく当事者としての意識の芽生えにつなげていければと考えています。
初回となるプロジェクトでは、鴻巣市で400年続く馬場農園さんの美味しいトマトを使ったピザ屋さんを1日限定で開くことが決まりました。馬場農園さんは、田植えや稲刈りなどの食育にも関わる活動をされている農家さんです。もちろん、お野菜の味もピカイチ!今回、馬場農園さんには、プロジェクトの立ち上げからサポートいただき、一緒にアイデアを具現化していただきました。馬場農園さん、本当にありがとうございます!
本プロジェクトは10月から、ピザ屋さんの開店に向けて複数回にわたり農業体験やフィールドワークなどを行っていきます。次回の記事では、プロジェクトの進捗をご紹介していきますので、ぜひ楽しみにしていてください。