7年前、教師だった私が飛び込んだのは、従業員が100名ほどの小さなITベンチャーでした。最初に目にしたのは、眩しいほどに目をキラキラさせながら語り合う社員の姿。そこで、名刺管理という市場を切り拓くことに夢中になっているメンバーに出会いました。こんなにも生き生きと楽しそうに努力できる人たちがいるんだ。雷に打たれたような衝撃でした。そして間もなく、私自身も名刺管理に夢中になっていきました。
息子は今、工作に夢中です。朝起きると、朝食も食べずにハサミと画用紙を手に持ち、何かを作り始めます。幼稚園から帰ってくると、「今日は、何つくろう?」といって、またハサミを握ります。黙り込んで口を尖らし始めると、スイッチが入った証拠。没頭タイムのはじまりです。最初はぐちゃぐちゃの線を書くのが精一杯だった彼は、いつの間にか、緻密な飾りや仕掛けまで作れるようになりました。
夢中になっている人の力は偉大です。溢れ出る探究心は、どんな困難をも乗り越える原動力となり、その人を強くしてくれるのでしょう。また、エネルギーに満ち溢れる姿はとても美しく、周囲を魅了し味方にしてしまう強い力を持っているのだと思います。ルーペで謎を解き明かすように、夢中になって探究する喜びを感じてほしい。そんな思いから、これから始めるこどものための場所は「LOUPE(ルーペ)」と名づけました。LOUPEに集うこどもたちの、夢中な姿を見られる日が楽しみです。