友だちの声に、耳を傾ける

2020年度から、新しい学習指導要領に沿った学校教育がスタートしています。今回の改訂は、「何を学ぶのか」という学習内容だけでなく、「どのように学ぶのか」といった、アプローチの方法にも重きが置かれていることが特徴です。具体的には、グループワークやワークショップなど、こどもたちが主体となって進めていく学びを大事にしていこうという動き。学習指導要領では、これを「主体的・対話的で深い学び」と表現しています。一方的な講義形式の授業と対比させてみると、違いが分かりやすいかもしれません。

この「主体的・対話的な学び」は、社会に求められる重要な経験に他なりません。なぜなら、仕事そのものが主体的・対話的なやり取りの連続だからです。グループワークやワークショップのような協同作業は、社会人になると業務の中で求められる手段の一つ。実際、私自身も、業務の場面ではメンバーと協同しながら物事を進めるといったことが多々あります。

そして、こうした協同作業において大切なこと。それは、自分の考えに固執しない柔軟性を持って、他人の意見に耳を傾けることができること。時には、耳をふさぎたくなるような意見をもらうこともあるでしょう。せっかくゴールが見えてきたというのに、振り出しに戻ってしまうこともあるかもしれません。形になりかけたものを壊して、再形成していくのは時間もかかります。けれども、そうやって質を磨き、強度を高めることにより、良いものは生まれていくのです。

LOUPEに学びにくる子どもたちにも、そんなふうに、友だちの、先生の、地域の身近な人たちの声に耳を傾けることができるようになってほしいなと思います。「ご指摘ありがとう。確かに、君の言う通りだね。ここの部分は、君の意見を採用するよ。」こんな風に言えるようになったら、素敵だと思いませんか?