自由研究に燃える、夏。

今年の夏は、ご近所に住むAちゃんが自由研究に挑戦するとのことで、LOUPEでも少しばかりお手伝いをさせていただきました。彼女が選んだ研究のテーマは「海苔」。見た目、におい、味、水につけるとどうなるの…?馴染みのある焼き海苔をはじめ、ばら干し海苔やあおさなど、6種類の海苔を取り上げ、様々な角度から研究を進めました。研究に使ったキッチンは、ふんわり磯の良い香りがします。

彼女だけでなく私自身も、海苔と向き合うのは初めて。見た目は同じような黒い海苔ですが、食べ比べてみると、種類ごとに触感や風味が異なり、それぞれに特徴があることがわかりました。驚いたのは、海苔を水につけた時の変化です。水の中の海苔は、豊かに発色し、広がりをみせ、とても美しい形をしているのです。さらに、画用紙に乗せて乾燥させて作った海苔の標本は、味わいがあって見た目でも楽しめることも、新たな発見となりました。

「海苔ってこんなにきれいだし、おいしいのに、焼き海苔しか知られていないよね。」研究を通じて、課題意識が芽生えたAちゃん。「食べるだけでなく、アートとしても楽しめることを知ってもらえば、魅力や違いに気づいてもらえるかもしれない。」そう考えたAちゃんは、レポートの最後のページを、海苔だけで表現したアートで締めくくり、研究を終えました。

謎を解き明かすこと自体を楽しむうちに、そこから生まれた疑問や感情が反応し合い、大きなエネルギーとなって、人の心を動かすアクションにつながる。イノベーションが起きる瞬間を垣間見た気がした、夏の午後となりました。