ヒントは”お風呂”

算数では、体積の学習が終盤を迎えようとしています。今回は応用編ということで、複雑な形をしたフィギュアの体積を求めました。「たて×よこ×高さ」の公式が通用せず、頭を抱えてしまった子どもたちでしたが「お風呂」をヒントにしながら、水の中にフィギュアを入れた時の水位を測定するところまでたどり着くことができました。

「え、こんなに小さいの?」大きいと思っていたフィギュアは、水に沈めてみると、わずか9mmしか水位が上昇しませんでした。予想が覆されると、そのほかの体積も気になるところ。近くにあったマグカップなども同じように測定し、見た目の予想と実際の体積の違いを比べては、びっくりした表情を浮かべています。

一通り体積の計算を楽しんだ後、最後に”古代ギリシア時代に活躍した科学者アルキメデスと王冠”の話をしました。王様から「純金でできているはずの王冠に、値段の安い物質が混ざっているかもしれない」との相談を持ち掛けられたアルキメデス。同じ重さの純金と比べた時に、別の物質が混ざっているとするならば体積が大きくなるはず。しかし、複雑な形をした冠の体積を求めることはできず、仮説の検証は進みませんでした。それからしばらく経ち、ついに彼はひらめきました。それは、お風呂に入っているときでした。湯船につかった自分の体でお湯が溢れる様子を見て、水を使う方法に気が付いたのです。古代ギリシア時代と同じ、お風呂をヒントに体積の大きさに迫るなんて、こんなにもロマンチックな話があるでしょうか。

算数は、わたしたちの生活に密接にかかわり、時には歴史をも変え得る武器となるのです。アルキメデスの話が子どもたちにどこまで響いたのかは分かりません。けれどもいつか、そのことに「はっ」と気が付き、その有用性や魅力を噛み締める日が来ることでしょう。LOUPEでは、ささやかながらその「いつか」に近づくお手伝いができればいいなと思っています。

さて、今日は体積の単元テストとのこと。頑張れ子どもたち!