

言葉や文化の違うオーストラリアの現地校に飛び込み、ターム留学に挑戦している息子。日々奮闘する学校生活の中で、彼の心を満たしてくれる温かい出来事がありました。この学校には、担任の先生が「特別に輝いていた子」の素晴らしい行動や姿勢を見逃さず、メッセージカードに手書きして手渡してくれる取り組みがあります。毎日もらえるものではなく、全員に配られるわけでもない、特別なカード。 ある日、算数の時間に初めてそのカードをもらってきた息子は、嬉しそうにその価値を語ってくれました。
そこには、
“My teacher is proud of me for doing an excellent job in Math and having a positive attitude.”
(算数でとてもよく頑張り、前向きな姿勢で取り組んでいたことを先生は誇りに思います。)
と、先生からの手書きのメッセージが添えられていました。子どもの小さな良いところ、輝いている瞬間を大人が見逃さず、言葉にしてしっかり褒めてくれる。そんな温かい「褒め文化」が、彼の自己肯定感を育んでくれているのを感じます。
実は先週も、2枚目となるカードをもらって帰ってきました。 そこに書かれていた先生からのメッセージは、
“My teacher is proud of me for always being positive and helping others.”
(いつも前向きで、周りの人を助けていることを先生は誇りに思います。)

印刷された定型文ではなく、先生が一人ひとりの様子を見て、その子のために手書きで書いてくれた言葉です。自分の日々の行動を誰かがちゃんと見てくれていて、言葉にして届けてくれる。 それだけでも、子どもにとっては大きな喜びになり、「これは自分の良いところなんだ」という自信につながっていくのかもしれません。
そして今朝、さらに嬉しい出来事がありました。 全校朝会で息子の名前が呼ばれ、ステージ上で校長先生から直接「Certificate of Recognition(表彰状)」をいただいたのです。実は息子、去年この学校に通っていたときから、全校朝会で誰かが表彰される姿を見て、「いつか自分も選ばれてみたいな」と思っていたそうです。 だからこそ今回、自分の名前が呼ばれた瞬間は本当にびっくりしたのだとか。
賞状に書かれていたのは、こんな言葉でした。
“This Certificate is awarded to ○○(息子の名前) for having a consistent positive attitude towards his learning.”
(学びに対して、継続して前向きな姿勢を示していることを称えて)

帰宅後、息子は誇らしそうに教えてくれました。 「全員が選ばれるわけじゃないんだよ。1人のこともあるし、何人か選ばれることもある。今日は学年で僕1人だった!」 「いつか自分も」と憧れていた場所に、自分が立つことができ、息子はさぞかし嬉しかったことでしょう。そして親としても嬉しかったのは、何を理由に息子が表彰されたのかでした。 「毎日、前向きに学ぶ姿勢を持ち続けていること」。 その姿勢そのものを、学校全体が価値のあるものとして認めてくれたのです。
日本の学校にも、子どもの頑張りを見つけ、認めてくださる先生はたくさんいます。一方で、「表彰」や「賞状」となると、習字や絵画のコンクール、持久走大会など、何かで優れた成果を出したときにもらうもの、という位置づけのことが多いかもしれません。もちろん、目標に向かって努力し、結果を出したことを称えるのも、とても素晴らしい経験です。 でも今回、息子がもらったカードや賞状を見て、もう一つの「認め方」があることに気づきました。
何かに特別秀でていなくても、目の前のことに一生懸命取り組んでいること、前向きに学んでいること、友達に優しくしていること…。その子が日々見せている良さを見つけ、具体的な言葉にして伝えること。そんな小さな承認が積み重なることで、子どもたちは少しずつ「自分の良いところ」に気づいていくのでしょう。
子どもの自信を育てるために必要なのは、大きな成功体験だけではないのだと感じました。「自分のことをちゃんと見てくれている人がいる」「自分にはこんな良いところがある」。そんな実感こそが、新しいことに挑戦したり、前向きに取り組んだりする力になっていくはずです。オーストラリアの学校でもらった3つのメッセージから、家庭でも大切にしたい「子どもの認め方」を、改めて教えてもらった気がします。